―――クリフト(ソロ編)

「私達って、似ているのかも知れないわね‥」
互いの秘密を打ち明けあった後、彼女はそう小さく微笑んだ。
ソロの故郷で出逢った彼の幼馴染の少女シンシア。
ソロから聞いていた人物像とは、大分異なってはいたが。
想像よりも逞しい彼女とは、時折密やかな時間を過ごしていた。
「ふふ‥確かに。ひねくれ方が割と似てますね。」
「…まあ。そこまではっきりとは、言ってないわよ。やあね‥」
クスクスと返した私に、心外だと言わんばかりに声を上げた彼女が、後半納得したよう苦笑を浮かべる。
「でもまあ。本当のことは、きっとソロには伝えられないだろうから。
あなたに秘密を負わせてしまうのは、少し申し訳ないわね。」
「私は構いませんが。それで、良いのですか?」
「うん。ソロならきっとね、大したことないように受け止めてくれると思うけど。
色々いっぱいいっぱいでしょ、彼。余計に混乱させるのは、ねえ‥?」
そう苦笑して、ソロが作業に向かった建築現場の方へと視線を移す。
故郷へ帰ってからずっと、慣れない事案に追われる毎日のソロが、まだ魔力を回復してないと言うことが発覚したのもあって。煩わせたくないのだろう。
案じるような横顔が、そんな彼女の心情を窺わせた。

「私の内緒はね、そのままでもいいと思うのよ。でもね‥」
沈黙が破られると、シンシアが頬杖ついて嘆息した。
「なんですか?」
じーっと凝視められて。居心地の悪さを覚えながら訊ねた。
「あなたの内緒は‥いつまで続けられるの?」
ほんの少し躊躇いながら、シンシアはそう問いかけた。
「‥‥それは‥」
「ああ、ごめんなさい。とても意地悪だわ、私…」
忘れてね‥と。シンシアは立ち上がった。
それが終わる日こそが―――





2016/10/4








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