〜DQ4お誕生日企画〜   17歳おめでとうvv







「こんにちは。初めまして。」

緑髪の少年が、同じような緑髪をした青年2人に声をかけた。

「おう。‥お前もやっぱり勇者なのか?」

やや背の高い、精悍な面差しの青年が、口の端で笑む。

「‥はい、そうですね。」

それにちょっと苦く微笑して、彼が応えた。

「君もやっぱりエスタークと戦ったりしたの?」

気の毒そうな視線を送って、隣に並ぶ青年より柔らかな雰囲気の青年が口を開く。

「あ‥はい。」

「うわあ‥。まだ子供みたいなのに。大変だったね…。」

「‥確かに。まだガキ‥だよな?」

ジッと値踏みするかのように覗き込まれて。

上目遣いに険しい顔を返しつつ、少年が憮然と答えた。

「‥13歳。でも、皆歳違うみたいだけど?」

「あはは‥! だよなー。そう見えるよな。うんうん‥」

愉快そうに肩を揺すった青年が、バシバシと少年の肩を叩いた。

今度は隣に並んで立っていた青年が眉間に皺寄せる。

「一応オレ‥こいつと歳一緒なんだけど。‥17歳。」

「‥あ。そうなんだ。ふうん‥。あ、そうそう。オレは緋龍。あんた達は‥?」

なんとなく構えていたモノを崩して。少年が名乗った。

「ああ‥オレはソロ。んで、こいつが…」

「鷹耶だ。」

柔らかな面差しの青年に次いで、少々ぶっきらぼうな彼が答えた。

「‥2人は知り合いだったの?」

馴染んだ風に見える彼らに、緋龍が素朴な疑問を口にする。

「‥会ったのは初めて。」

互いに顔を見合わせてから、ソロが返答した。

「‥ふうん。今日はね、なんか誕生日会だって呼ばれたんだけど。
 
 オレ‥自分以外にも同じように冒険した勇者が在ったなんて。

 想像したコトもなかった。だから、なんかまだ‥不思議な感じ。」

「うん、オレも最初はびっくりした。

 でもね、え‥っと、なんて言ったっけかな…。うーん‥」

ソロが腕組みしながら首を捻る。

「ああ‥そうそう。

 パラレルワールド‥って言うんだって、確かピサロが話してた。」

「‥ピサロ? デスピサロ?!」

思いがけず飛び出した名前に、緋龍が目をパチクリさせる。

「うん、そう。そのピサロ。」

「‥え‥と。よくわからないけど。ピサロと一緒なの?

 …だって。‥‥あいつは―――」

「‥ああそれな。ロザリーの蘇生手段、知ってな。奴をどうにか止められたんだ。

 んで、今はどこかで進化の秘法を完成させようとしている邪神官を、奴と共に

 追ってるのさ。」

鷹耶の言葉に、緋龍が悔しそうに俯く。

「‥‥そうなんだ…

 ロザリーを助けるコトが…。オレ‥知らなかった。」

「‥でも。すごい奇跡だって‥。

 オレ達の運がたまたま良かっただけかも知れないし…」

激しく落ち込む彼を慰めるように、ソロが肩に手をおいた。

「‥奇跡か。本当にな。」

どこか遠くを見るように、鷹耶が呟いた。

「こうしてオレ達が逢ってるのも、すごい奇跡だよね。」

「ああ‥そうだな。」

仕切り直しとばかりに、明るい口調で言うソロに、鷹耶が同調する。

「‥うん、そうだね。みんな少しずつ違うのかも知れないし…」

そんな2人に微笑を返し、緋龍が納得させるよう頷いた。

そう。邪神官が進化の秘法を…という話は、自分の世界では起こらなかった。

「そうそう。こいつなんてさ、かなりヘビーな旅立ちだったらしいぜ?」

鷹耶がソロを指して、苦く微笑む。

「‥え。村が魔物に滅ぼされた他に?」

「ああ。その辺は一緒なんだけどよ。なんと、一度引き上げた筈の魔王さまがな、

 単身戻って来たんだと。んで。バッチリ鉢合わせちまったらしい。」

「ええっ!?」

「ちょっと‥何話し出してるんだよ?」

慌てた様子のソロが制するが、鷹耶は手振りでそれを留めてしまう。

「‥よく、それで無事だったね…。」

「それ程無事って訳でもなかったんだな‥それが。なっ?」

同意を求められて、ソロが真っ赤になって鷹耶を睨みつける。

「うるさいな‥。あんた絶対面白がってるだろ?」

「まあな‥。本人が傷ついてたら、同情するんだろうが。

 現状聞いたら、そう開き直ってしまった方が、いっそすがすがしいだろ?」

ケロッと言い切る彼に、なんとも言えない面持ちでソロが唸る。

やり取りの意味が掴めない緋龍は、ただ不思議そうに2人を眺めた。

「‥えっと。全然話見えないんだけど?」

「あ‥ごめん。そんな大したコトじゃないんだ。」

「そうそう。魔王さまとの親密度が、ぐ〜んと上がってしまっただけ‥だよな。」

赤い顔を更に染め上げて、ソロが鷹耶を睨めつける。

緋龍はますます理解不能と、怪訝そうに眉を寄せた。

「‥結局さ。えっと‥ソロはピサロと仲良いの‥?」

「そう。とても親密らしい。」

にんまり答える鷹耶に、ソロが苦い顔を浮かべる。

「‥ふうん。魔王と友情築けるなんて、なんかすごいよね。」

「チッチッチ‥甘いな少年。」

子供扱いされた緋龍が、むぅ‥と頬を膨らませた。

更に口を開きかけた鷹耶の頭を、スパンとハリセンが落ちた。

「子供に聞かせる話じゃない!

 ‥ああ。あんたのところのクリフト、スッゴい苦労してるんだろうな…。」

大仰な嘆息混じりに呟いて。ソロが疲労感を漂わせる。

「失礼な。俺のクリフトはお前のトコと違って、優しいし可愛いんだ。

 苦労なんてさせるもんか。」

「オレのトコだって、優しいよ! かっこいいし。」

「い〜や。あれはおっかない‥って言うんだね。」

「‥‥あの?」

謙らぬように言い争う2人に、困惑顔の緋龍が遠慮がちに口を挟む。

「2人とも互いのクリフトに会ってるの?

 …それに‥今”俺の”って。もしかして、そっちのクリフトって‥女性なの?」

―――確か可愛いとも言っていた。

「いんや。どっちも男。でも性格は全然違う。そっちのクリフトってどんな奴?」

「‥え。んと‥優しいとは思うよ。頼りになるし‥」

一応質問に返しながら、浮かんだ疑問をどう訊ねたものかと、緋龍は眉間に皺を寄せた。

「ん‥? なんだ?」

「‥あのさ。どうして、”俺の”‥なの?」

「そりゃあ勿論、ラブラブな仲だからv」

「ら‥ラブラブって。だって、男だって‥?」

クエスチョンマークいっぱいにして、緋龍が鷹耶を見つめる。

「そんなに意外か?」

「う‥うん‥‥‥」

迷うようにしながらも、コックリと肯定する緋龍。

「そっか‥。その辺も結構違うもんなんだ。なるほどな〜。」

独り得心がいったように。うんうんと頷く鷹耶である。

ソロは本当に性格が違うもんだなあ‥と、新鮮な気持ちを覚えていた。

「‥和やかにやってるみたいだが。そろそろタイムアップだそうだ。」

突如背後に気配が現れたと思うと、ソロのよく知った低い声が響いた。

「ピサロ‥! あ、クリフトも来たんだ!」

振り返ったソロが嬉しそうにやって来た2人に微笑む。

「扉が閉まってしまうとかで、呼びに来たんですよ?」

「あ‥そうなんだ。すっかり長居しちゃったのか…」

「げっ。あんたも一緒かよ?」

「へえ〜。こちらがソロの世界のクリフトですか。初めまして。」

苦々しく言う鷹耶の肩に手を置いて、おっとりした風情の青年がふわりと微笑んだ。

「初めまして。不思議な邂逅ですね。」

にっこり返した彼が手を差し出したので、応じようとしたクリフトだったが。

鷹耶にきっちり阻まれてしまった。

「‥ふむ。同じ神官でも、随分違うものだな確かに。それに‥」

ピサロがじっと緋龍へ目線を移した。それに合せて一同の視線が彼に集中する。

「リュウ。もう戻る時間ですって!」

そこへ彼の背後に現れた少女が、急かすように声をかけてきた。

「シンシア‥!」

「「シンシア‥??」」

緋龍に遅れて、残った2人の勇者がびっくり顔で栗色の髪の少女をみつめた。

「え‥? あ‥初めまして。勇者さんに‥クリフトさん、それから―――

 え‥? ピサロ様!?」

銀髪の魔族の青年を見たシンシアが、口元を抑え凝視する。

自分が知る彼とは異なるが、発する気配が彼と酷似していたから‥

それにしてもどうして。今この場にいるのだろう―――?

驚きを隠せないのは勇者達もだったのだが‥

「‥どうやら。時間切れのようだな。」

グラりと視界が歪む瞬間の魔王の呟きを最後に、世界が暗転してしまった。






同じ『天空の勇者』

けれど違う時間連鎖にある彼ら―――

束の間の出逢いは、それぞれに衝撃を与えた‥‥のかも知れない?








―――と。
DQ4誕生17周年、おめでとうございます!!(遅っ!!)
17年も経たせいで。マイ勇者が幾人も生まれてしまってます(^^
そこで。とりあえず、一番多く描いている3人の勇者の顔合わせ‥
やってみました♪
会わせてみたら。好き勝手語り合ってくれちゃいましたので(^^;
実は最初思ってた感じとは大分離れてしまったのですが。
愉しんでもらえれば幸いですv
(描いてる本人は楽しかったけど‥)

2007/2/16


月の虹